街に、コンチキチンとお囃子(はやし)の音色が鳴り響くシーズンがやってきました。祇園祭を題材にしたイベントが多彩に行われるこの時期、見て、歩いて、聞いて楽しめるイベントを紹介します。
祭の情熱と感動を、再び作品に
カメラマンの井上博義さん、薬師洋行さん、川塚錦造さんの3人が、2年の歳月をかけて作り上げたガイドブック「京都 祇園祭を歩く」を出版したのは2009年のこと。「撮りたかったものがまだまだあったので」(井上さん)と、2010年、3人は再び撮影を敢行。その写真展が行われます。
「人とのかかわりを表現した」という薬師さんは、40年ほど前に撮影した菊水鉾のショットも一緒に。菊水鉾の担い手の一員でもある川塚さんならではの作品や、井上さんが撮っておきたかった「祭の様子を俯瞰(ふかん)するアングル」など、44作品が展示されます。
【日時】7月5日(火)まで、午前11時~午後7時(最終日は午後3時まで)
【会場】ギャラリー古都(中京区河原町通蛸薬師東側 三條サクラヤビル6階)TEL:075(257)2666
【参加費】無料
江戸後期の人たちの姿がユーモラスに
今から170年以上前、江戸後期の祇園祭を描いた絵巻が、京都で初めて公開されます。
画家の横山華山が描いたもので、全長15mの絵巻上下2巻。現在、山鉾巡行は1度だけですが、かつては「前祭(さきまつり)」と「後祭(あとまつり)」に分けて行われていました。この絵巻では上巻に前祭、下巻には後祭を収録。鑑定した祇園祭研究家で、頴川(えがわ)美術館学芸員の八反裕太郎さんによると、「今は行われていない“神輿洗(みこしあらい)の練物”と舞い踊る仮装姿の祇園の芸妓(げいこ)など、天保の人たちがどのように祇園祭を楽しんでいたのかがうかがえ、芸術品としても資料としてもとても貴重なものです」。
【日時】
7月2日(土)~18日(祝・月)午前10時~午後5時
【会場】
相国寺承天閣美術館(上京区今出川通烏丸東入ル)=TEL:050(5542)8600(ハローダイヤル)
【参加費】
観覧には、現在開催中の「ハンブルク浮世絵コレクション展」の鑑賞料が必要(一般1000円、65歳以上・大学生800円、小中高生500円)
山鉾全32基を歩いて見てまわろう
山鉾を組み上げる「山立て」「鉾立て」。
昨年から、京都府ウオーキング協会では、この作業を間近で見ながら32基の山鉾を訪ね歩く約10キロのウオークを開催。「職人さんがくぎを1本も使わずに縄だけで、あんなに大きな物を立てていくのが見どころですね」(同会スタッフ)。昨年は、和歌山や神戸、滋賀、大阪などからの参加者が多く、京都の参加者は少なかったのだとか。
せっかくの地元の行事、見に行ってみては?豪華けんらんな山鉾の“裏側”をのぞき見る絶好のチャンスですよ!
【日時】7月13日(水)午前10時にJR「京都」駅中央改札口前に集合、午後2時30分ごろに同解散
【コース(予定)】
JR「京都」駅~長刀鉾~函谷鉾~菊水鉾~放下鉾~月鉾~船鉾~JR「京都」駅
【参加費】300円、中学生以下無料。昼食持参
【その他】申し込み不要、直接集合場所へ ※警報が発令されない限り雨天決行
【問い合わせ】
京都府ウオーキング協会=TEL:075(353)6464
焼失から140年以上、あの鉾がようやく復興へ
京都市の景観重要建築物に指定されている町家「小島家」。ここで京都学園大学の市民講座が行われます。7月29日(金)は、「四条町 大船鉾復興に向けて」と題し、四条町大船鉾保存会代表理事の松居米三さんと同会理事の中野敬さんが講演。幕末の蛤御門の変で焼失した鉾が、今秋を目指して徐々に復興する姿が紹介されます。
【日時】
7月29日(金)午後6時30分~8時
【会場】
京都学園大学京町家キャンパス新柳居(中京区新町通錦小路上ル)=TEL:075(204)9160(月~土の午前8時30分~午後4時30分)
【その他】
聴講無料、申し込み不要、直接会場へ