灯明の油などに用いられているエゴマ油。
その名の通りエゴマから作られていますが、このエゴマ油を平安時代から生産していたのが大山崎町です。江戸時代以来、生産が途絶えていたエゴマ油を復活させようというプロジェクトが2009年にスタート。
初夏、3年目となる今年の栽培が始まりました。
JR「山崎」駅近くの離宮八幡宮に集合してもらったのは、「大山崎町エゴマ油復活プロジェクト」に参加しているみなさん。
「プロジェクトは、この八幡宮の御遷座(ごせんざ)1150年をきっかけに、町の生涯学習事業として始まりました。6歳から80歳までの40人ほどで、エゴマの栽培に取り組んでいます」と大山崎町教育委員会生涯学習課の寺嶋千春さん。
畑の広さは約100㎡。5月下旬の種まきからスタートし、10月に実を収穫、11月に搾油と、半年がかりでエゴマ油の完成です。過去2年の栽培を振り返ってみると─。
「初めは種をまいても鳥に食べられちゃって」「収穫したエゴマから実を取り出す脱穀が大変!なかにはピンセットを使ってやった人もいるんですよ」といった苦労話が、すぐににぎやかな笑いに包まれます。そのわきあいあいとした雰囲気から、楽しくプロジェクトに取り組む様子が伝わってきました。
ところで、取材に訪れたこの場所。聞くと、エゴマ油発祥の地なのだそう。
「平安時代、離宮八幡宮の宮司が搾油する道具を発明し、全国で栽培されていたエゴマを集め、油を作って販売したそうです」と教えてくれたのは、同プロジェクト内で活動している「文化歴史クラブ」のメンバー、谷口久敏さん。クラブでは離宮八幡宮とゆかりのある地域と交流したり、大山崎とのつながりを調査しています。
そのほかにも、エゴマを使ったレシピの考案や調理実習会を行う「たべものクラブ」、エゴマアロマ水の抽出やせっけんを作る「アロマクラブ」、天王山の間伐材で作った箸にエゴマ油で塗装するなど、エコな暮らしを研究する「エコライフクラブ」と、全部で4つのクラブがあり、栽培と平行して活動しています。
昨年12月に同プロジェクトで開催した「お楽しみ会」では、それぞれのクラブが協力しあって、料理を作ったり、ワークショップを開いたりと、地域の人や観光客にもエゴマを紹介したそう。
今年で3年目となるこの活動。これからの目標をたずねると、「全国発信したい」「今までよりうまくできると思う。もっとPRしよう」とみなさんやる気満々でした。
問い合わせ
大山崎町教育委員会 生涯学習課