3月11日の東日本大震災から2日後、京都市と京都府、それぞれが運営するボランティアセンターが合同で「京都災害ボランティア支援センター」を設置。3月28日からは、メルパルク京都1階に窓口を設け、被災地でのボランティアを希望する人のコーディネートなどを行っています。そんな同センターを訪ねました。
「京都災害ボランティア支援センター」で最初に目に入ったのは、壁にはられたたくさんの紙。「泥出しに使う土のう袋が不足しています」「引っ越し支援のボランティア募集」(いずれも5月中旬時点)など、どこでどんな支援が必要かが記載されています。センターでは、このような情報収集やボランティア活動のコーディネートを行うほか、京都へ避難中の被災地の人たちと交流を図る催しも企画しています。
「今回の東日本大震災について言うなら、東北の商品を購入したり、寄付をしたり、京都でもできることがたくさんあります。センターの運営もボランティアスタッフによるものです。まだまだ人手は足りません」とセンター長の藤野正弘さんは言います。
同センターでは、福島、宮城、岩手県への「ボランティアバス」第一陣を4月29日~5月2日に運行。10代~60代の男女90人が、各地域に分かれて活動しました。
その後行われた「被災地支援ボランティア活動報告会」の会場へ向かうと、開始前にすでに満員。京都から現地へ行った人が、どんな活動をしてきたのか、関心を持つ人が多いのですね!
報告会で特に印象深かったのは、岩手県陸前高田市での活動に参加した4人によるパネルディスカッション。海岸から約6km内陸にある田んぼにも、津波によって流された家財や流木が散乱。それらを、機械ではなく手で拾っていく地道な作業…。
「はき慣れていない長靴での作業が想像以上にきつかった」「せっかく来たからと頑張りすぎてしまう」「少人数では到底できそうにないことも、大人数でやればできる」といった声が。作業の大変さとともに、特別な技術を持たなくても、手伝えることがあると実感しました。
「ボランティアバス」参加には事前の研修が必要とされていて、この日は次回にむけてのガイダンスも。必要な装備や安全衛生についての注意のほか、被災者と向き合う心構えについても話がありました。
「最も大切な視点は被災された方の目線で考えること。現地の人たちにとっては、“被災地”ではなく、“○○町”などといった“地名”、“がれき”ではなく“ご自宅”、“ゴミ”でなく“家財”なのです」。被災した人の心情に添えるようにしておくことも準備のひとつなのです。
ボランティアバスの運行は、5月末に第二陣が出発。さらに6月以降も予定しています。「これから必要なのは“息の長い支援”。ぜひ関心を持ち続けてほしい」(藤野さん)