仏教の歴史をはじめ、教えや文化などをわかりやすく紹介してくれる仏教総合博物館「龍谷ミュージアム」が4月5日(火)に開館します。いったいどんな施設? オープンに先駆け、記者が訪ねました。
龍谷大学創立370周年記念事業の一環として開設された「龍谷ミュージアム」。すだれを思わせる波状の外壁が印象的です。現代風に見える外観ですが、実は国宝「西本願寺本三十六人家集」の波模様を取り入れたデザインなのだそう。
そして、館内2・3階の展示室を見学。「2階は『アジアの仏教』、3階は『日本の仏教』がテーマになっています」と、スタッフの石丸湖美(ひろみ)さんが案内してくれました。
まず2階で思わず目を見張ったのが、高さ約3・5m、長さ約15mに及ぶ色鮮やかな回廊。これは中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区トルファンの「ベゼクリク石窟第15号窟」を実物大で復元したもの。その美しさと迫力に圧倒されます。
「眺めていると心が落ち着いて、時間がたつのを忘れてしまうんです」という石丸さんの言葉どおり、不思議な力に包み込まれているような気分に…。
3階にはシアターを設置。「ここでは、フルハイビジョンの4倍を超える、高精細で迫力あふれる映像作品が堪能できます」
神秘的な美しさを感じる「ベゼクリク石窟」の大回廊。「音声ガイドで、それぞれの壁画を説明していますよ」とスタッフの石丸さん(右)
展示期間
2011年4月5日(火)〜2012年3月25日(日)
4月5日(火)から来年の3月25日(日)までは、開館と親鸞聖人の750回の大遠忌(だいおんき)法要を記念して、特別展「釈尊と親鸞」が行われます。
こちらは、仏教を興した釈尊と、浄土真宗の開祖・親鸞聖人にスポットを当てたもの。龍谷大学所蔵品をはじめ、日本全国の寺社の宝物や、アジアの歴史資料など、出品される総件数は約660点で、約50点の初公開作品もあるとのこと。
「インドで誕生した仏教が、アジアに伝わり、やがて日本に広まる過程を、物語をひもとくように展示していきます。親子で眺めて楽しんでもらっても」
寺社が多い京都で、仏教を身近に感じられる場所が、また一つ増えましたね。
京都市下京区堀川通正面下ル(西本願寺前)
午前10時~午後5時(入館は4時30分まで)
月曜休館(祝日の場合は翌日、展示入れ替えによる休館あり)
一般500円、65歳以上・大学生400円、高校生300円、中学生以下無料
TEL:075(351)2500