城陽市の、知的障害がある高齢者のための施設「南山城学園 和(なごみ)施設 欅寮」。こちらでは、利用者への支援の一環として創作活動に力を入れています。今回、公募展で入賞歴もある3人の利用者の展覧会「オモシロ3人展」が南区のギャラリーで開催されると聞き、同施設に取材に行ってきました。
取材当日、和施設の創作活動スペースを訪ねると、朝日の降り注ぐ中、糸状に割いた布を使って黙々と作業を行っている女性がいました。彼女は橋本玉美さん(59歳)。
「橋本さんはとにかく表現活動が得意。絵を描いても切り絵を作っても、独創的な作品を生み出します。ダンスも上手なんですよ」と、同施設主任の小林陽平さん。
今回の展覧会には、布糸で作ったオブジェのシリーズを出品する橋本さん。彼女のエネルギーが込められたような作品は、色使いがとてもきれい。無秩序に糸を結んでいるように見えて、ちゃんと感覚で選んでいるのだなと感じました。
制作活動が日々の生活で大きな位置を占めて
「当施設では、園芸や紙すきなど実務的な活動と、リハビリ、そしてフェルトや編み物などの創作活動が3本柱です。とはいえ創作活動は得意不得意があるので全員は行いません。内容も具体的な指示はせず、素材だけを渡して自由にやってもらっています」とのこと。それでこんな個性の違いが出るのですね。
3人とも障害者対象の公募展で何度も入賞しています。今回の展覧会は、初めての一般のギャラリーでのもの。「以前ここで働いていたときから、この3人の作品が大好きで。昨年祖母の家を改築してギャラリーを始めるにあたり、ぜひ紹介したいと思っていたんです」とは、展覧会会場の「Art Space ya(アートスペース ヤ)」の小林敦子さん。
「Art Space ya(アートスペース ヤ)」
生命力あふれるユニークな作品を見にいきませんか。