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女子のチカラで日本の山を元気にしたい

「国内の林業を応援し、山と街の暮らしを豊かにしたい」。そんな思いを持つ女性たちが、京都で活動中です。その名も「林業女子会@京都」。一体、どんな集まりなのでしょうか?



「ハイ、チーズ」の代わりに「北山杉~」「木曽ヒノキ~」と言いながら、みんなでスマイル! 岩井さん(前列中央)が手にしているのは、自らデザインした、グループのロゴマーク。伐採などに使うチェーンソーがモチーフになっています(撮影/奥田珠貴)

ある日の夕方、記者が向かったのは上京区の喫茶店。ここで「林業女子会@京都」の会議が行われるのです。この日、一番のりで着いていたのは、京都大学農学部1年生の高木理恵さん。大学で所属している森林ボランティアサークルを通じて、同会のメンバーになったそうです。

今年7月、京都で活動する、複数の森林ボランティア団体などの女性たちが一緒に立ち上げた「林業女子会@京都」。

「メンバーには学生もいれば、社会人の方もおられます。農学部に在籍している人、林業に携わっている人、建築士の人、山や木が好きな人など、いろんな女性がいます」と、同会代表の岩井有加さん(23歳)。京都大学大学院修士課程で森林科学を専攻しています。


「私たちにできることを」

「林業の面白さや大切さを広く知ってもらうこと」を目的に、イベントの企画やフリーペーパーの編集を行う同会。
11月には、南丹市で林業体験イベントを実施。京都府の森林保護への取り組みを行う「京都モデルフォレスト協会」の女性職員による講義の後は、ヘルメット着用で伐採体験、まきでたいたシカ肉シチューを試食…など、もりだくさんな内容で、「また来たい!」という声が多かったそう。

ところで、なぜそんなに林業を盛り上げる必要があるのでしょう?
「いま、日本では林業の採算が取れず、間伐などの山の手入れができないといった現状があります。林業が元気になれば、生物の多い豊かな森をつくることができ、日本の数少ない資源である木材を十分に使った、豊かな暮らしと文化も生まれます」(岩井さん)

そのために、自分たちでできることをしたいというメンバー。あるときは間伐を手伝い、またあるときは、フリーペーパーで木が身近にある生活の魅力を伝え、国産材の流通に貢献する…。さまざまな切り口からアイデアを出し、何かしていこうという姿勢は、あっぱれ! 
この冬は、フリーペーパーの編集に全力を注ぐというメンバー。今年の夏~秋にかけて、林業の現場で働く女性や、木の家に住む人、まきを使って料理するレストランなどを取材しました。

「2月発行を目指してます。完成品は飲食店などに置いてもらう予定」
林業体験イベントは、冬場はお休み。春から再び始めるそうですよ。

11月に行われた、林業体験イベント。「意外と伐採がウケていた」そうで、初心者の参加者も無心に取り組んでいたとか(写真提供・林業女子会@京都)


DATA

林業女子会@京都のブログ
http://forestrygirl-kyoto.cocolog-nifty.com/blog
E-mail:fg.kyoto@gmail.com

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