「ラジオ体操第1、よーい」。早朝の西京極総合運動公園に響くのは、聞きなれたメロディー。公園内の広場で「ラジオ体操」が行われています。軽やかなリズムに合わせ、毎日50〜80人の市民が体操する光景には、圧倒されますよ。
西京極総合運動公園には、朝早くからウオーキングやジョギングを楽しむ人の姿がちらほら。午前6時ごろになると、その足は公園内の「わかさスタジアム京都」北側広場へ向かいます。
広場にはいつのまにか約50人が集合。6時25分にスピーカーから音声が流れ出すと、いっせいに姿勢を正し、「ラジオ体操」が始まりました。音楽に合わせて、のびのびと腕を伸ばしたり、軽快に跳躍したり。記者も自然に体が動きだし…。深呼吸すると朝のさわやかな空気が心地よく、眠気は吹き飛び気分もシャキッとします。
4人からスタート京都市体育協会のサポートも
このラジオ体操は、もともと公園の近所に住む吉瀧一美さんら4人が始めたもの。吉瀧さんによると、「5、6年前、『朝、歩くついでに』とラジオを持参して、妻や近所の友人とラジオ体操をしてたんです。そのうち、通りがかった人が『私も参加していいですか?』と次々に寄ってきはって(笑)」。
今年の9月15日には、公園を管理する京都市体育協会が広場に新しくスピーカーを設置し、ラジオ体操の放送を始めました。「広場でラジオ体操をしているみなさんの様子を見た職員からの提案がきっかけです。地域の方の健康づくりと、交流の輪を広げるお手伝いができれば」と話すのは、同協会の青地政仁さん。
音響設備の動力には、太陽光パネルによって発電した電気を使用。「環境活動にも取り組むことで、地域に貢献できる公園をみなさんと一緒につくっていきたい」とも考えているそうです。
あいさつや交流が生まれる場に
体操後、さわやかな表情の参加者に話を聞いてみると、「運動前後のストレッチになるので、体がスッキリします」「体操をすると気持ちよくて、朝ごはんもおいしいんですよ」。「毎朝の習慣になっています」という声も。
集まった人が「おはようございます」「ええ天気やね」と互いにあいさつや会話を交わしている姿も印象的。「毎日ここで会うので、顔なじみになり、自然に話すようになりました」「みんなの顔を見るのも楽しみのひとつなんです」と。ラジオ体操で市民の交流が広がっているようです。