秋の夜長に一人でゆったり読書…という楽しみ方もありますが、最近は大勢で読書の面白さを共有する「読書会」も人気のよう。1冊の本についてみんなで語り合えば、一人で読むときとはまた違う感想に出合えます。今回は、この秋に開催される読書会を紹介。新たな本の魅力に触れてみませんか。
歴史小説から恋愛モノ、ビジネス書、マンガなど、これまでに300冊以上もの本の書評を、共同で1つのサイトにアップしている会社員の田畑さん(34歳)と田方さん(35歳)。「本を読む楽しさをいろいろな人と共有できればいいねと二人で話すうち、盛り上がって勢いで読書会を始めました(笑)」とは、主催者の田畑さん。
この日「京都読書会」に集まったのは、会社員や大学院生、専業主婦など、年齢も職業もバラバラな4人。自己紹介のあと、課題本であるエドガー・アラン・ポー著(小川高義 訳)「黒猫/モルグ街の殺人」の感想を順に言い合います。誰かの言葉に「そうそう!」とうなずいたり、意外な感想に「へぇ」と感心したり。場は何ともざっくばらん、ゆる~い感じで進んでいきます。
驚き、発見の連続です
記者も課題本を読んでいたのですが、「日本が江戸時代末期だったころに書かれたとは思えないほど、古さを感じない」「ストーリーが著者の人生をもほうふつとさせる」など、単純な話に思えた短編が「実は深い意味が込められていたのか」と発見があり、話を聞くだけでも目からウロコ。興味深いのです。
持参したオススメ本を紹介しあう場面もあり、「興味のなかったジャンルも、読んだ人に熱く語られると読みたくなりますね」と、参加者の平川さん(28歳)。止まらない「本談義」はその後、食事会へと続いていきました。
京都造形芸術大学教授の新元良一さんを中心に、学生や一般の人が入り交じってカフェ「ことばのはおと」で行われます。取り上げるのは、夏目漱石「三四郎」やナボコフ「ロリータ」など、古今東西の名作。「といっても、講義のような堅苦しさはありません」(店主の中村仁さん)。各世代が名作をどうとらえるのか。新しい感性に触れてみては。予約不要。見学もOK。
毎回参加者が読みたい本=課題本を提案。何人か読みたい人が集まれば次回も開催するという不定期の読書会。「本という媒体を通して、人の感じ方や考えを楽しみ、自分も思ったこと、感じたことを話す。さまざまな考えを共有することを楽しんでもらえれば」(店主・米田量さん)。好きな漫画本を持ち寄り紹介しあう「マンガナイト」もあり。
経済やキャリアアップ、ときに自己啓発本など、取り上げる本はビジネス書のみの読書会。名古屋、東京に続き今年から京都でも始まり、交流サイト(SNS)の登録者は5000人にのぼるほどの人気。何を読めばいいか分からない、ビジネス書初心者にもオススメ。今後は、文学書を課題本とする「文学サロン月曜会」も開催予定。