不登校の子を持つ親の居場所「つながろCAFE」

2024年9月6日 

リビング編集部

不登校の子を持つ親の居場所「つながろCAFE」

子どもが不登校になると、さまざまな心配や不安を抱える親も。そんな大人たちが気持ちを分かち合う 場として開かれている居場所が、向日市にあります。

撮影/山﨑晃治

近年、増加傾向にある不登校の子どもたち。その親が集まって気軽に話せる居場所「つながろCAFE」が、月1回開かれています。場所は向日市にある「来迎寺(らいこうじ)」。

6月の開催日、集まったのはこの居場所を主催・運営するメンバー4人のほか2回目の参加という、小学生のお母さん1人。同代表の福井ともみさんに聞くと、「メンバーはみんな子どもや孫が不登校だった、または現在不登校という女性です」とのこと。メンバー自身の交流の場でもあるようです。

会は「来迎寺」の一角にあるカフェスペース「釈迦fe(しゃかふぇ)」でお茶とお菓子を囲みながら。「こぢんまりと、フランクな雰囲気にしたい」と福井さん

「まずは近況報告から」と、順に子どもの様子や最近の変化を話していきました。「うちは専門学校に休まず通っているわ」「うちの子は最近『寝られない』と困っていたけれど、友達の家で遊んだ日はよく寝られた」など各自の話に、「それはがんばってるね」「うちもそんなことあったわ」とねぎらったり共感したり。和やかな雰囲気です。

「学校の担任とどう話し合えばいいのか」「放課後等デイサービスに通うにはどうしたらいいのか」など、参加者の困りごとには、メンバーが自分の体験談を話します。この日は精神保健福祉士などアドバイザー2人も同席。発達障害が疑われる場合はどのような医療機関に行けばよいかといった専門家としての助言もありました。

冗談や笑いも交えつつの2時間。参加したお母さんは、「当事者同士だから、気持ちがしんどくならずにいられます。まるで温かいお風呂のような、ほっとできる場所」と話してくれました。

「自分たちの経験が、参加してくれる人の役に立てば」と話すメンバー

親が笑顔になれば、子どもも笑顔に

運営メンバーの4人はもともと、乙訓地域で開催されていた「不登校を考える親の会」の参加者だったそう。それが休会したことをきっかけに、「つながることを続けていこう」と、自分たちで居場所をつくることに。会場の来迎寺は、福井さんの自宅。外部アドバイザーにも協力してもらいつつ、2024年1月から開催しています。毎回メンバー以外に2〜3人ほどの参加者があります。

「親としてどうしたらいいかわからないと、初回は涙する人も。そんなときはメンバーも泣いてしまいますね。それぞれの考え方を押し付けず、みんなで各家庭のやり方を受け止めるようにしています」と福井さん。

「不登校の子を持つ親の中には、ひとりでしんどい思いをしている人もいます。自分たちもそうでしたが、ほかのお母さんから共感してもらえたり、『大丈夫』と言ってもらえたりすると心が楽になります。それが子どもにも伝わって、親子関係がよくなるんです。雑談するだけでも楽しいし、気軽に来てもらえたら」

今後は、不登校に関する勉強会も取り入れていきたいとのこと。問い合わせは来迎寺・福井さん=TEL:075(921)0343=へ。

左からメンバーの木田さん、藤井さん、上野さん、代表の福井さん、精神保健福祉士でアドバイザーの木下さん

つながろCAFE

  • 開催日時/毎月第3日曜日 午後2時〜4時
  • 場所/来迎寺(向日市寺戸町中垣内27)
  • 参加費/200円(お茶菓子代)
  • 予約不要。詳細は公式LINE(ライン)で。LINE ID:@227apwck

(2024年9月7日号より)