子育ての喜怒哀楽が川柳に

2023年2月3日 

リビング編集部

子育ての喜怒哀楽が川柳に

乳幼児親子の居場所・仲間づくりに取り組んでいる、NPO法人「京都子育てネットワーク」。子育てに関する思いを川柳にするコンテストを実施し、入賞作品が決定しました。〝つぶやき川柳〟を通して伝えたいこととは。

「添い寝する わたしをトントン する娘」

寝かしつける母親のまねをして、一生懸命トントンする女の子の姿を詠んだ一句。「京都子育てネットワーク」主催の「子育てつぶやき川柳」コンテストで最優秀賞に輝いた作品です。

同団体は、代表の藤本明美さんが、子育てサークルを探す親子のために、サークル同士のつながりをつくったのが始まり。昨年3月に25周年を迎えたことを機に、同コンテストを企画。同年9〜11月、子育てにまつわる喜怒哀楽を詠んだ川柳を募集すると、京都府内から945句が集まったとか。

「応募者の年齢層も幅広く、子育て現役世代をはじめ、90代の方が思い出を振り返る作品もあります」と話す藤本さん。「子育て中のエピソードやパパ向けのメッセージ、子育てする人へのエールなどさまざまな視点の川柳がそろいました」

審査には同団体のメンバーだけでなく多数の協賛企業も参加。1月末に最優秀賞、優秀賞、佳作の計8作品が決定し、ホームページ上で発表されています。

「退職後 孫を預かり 5連勤」(佳作)と祖母のうれしい悲鳴にクスッと笑えたり、「赤ちゃんが 泣くの気にして バス乗れない」(佳作)といった母親の嘆きに社会問題を感じたり、内容もバラエティーに富みます。

上位3作品はイラスト化されました
同団体が運営する乳幼児親子の交流の場「つどいの広場 ま~ぶりんぐ」(京都市西京区)で会議するメンバー
プロジェクトメンバー。普段は7人で活動(左から2人目が藤本さん)

〝つぶやき〟がエールや理解につながるように

「当団体が始まってから25年。子育ての環境は変わりましたが、大変さは変わりません」と藤本さん。「さらにコロナ禍で人に会いづらい、実家にも頼りづらい。そんな孤独な“孤育て”の状況も“つぶやき川柳”にして、世間に知ってもらいたかったんです。『あるある!』と共感できる言葉にすれば、子育て中の人に一人じゃないよとエールを届けられるかなと。

また、新制度の『産後パパ育休』もありますし、地域の人や企業にも子育ての現状を知ってもらい、子育てする人を支えてほしいと思っています」

2月10日(金)・11日(祝・土)には、全応募作品が並ぶ展示会などが実施されます。十人十色の“つぶやき”が多くの人の目に留まるよう、川柳にちなんだ紙芝居やポスターも製作中。

「入賞作品を物語に盛り込んだ紙芝居は、今後も大切に活用できれば。

未来へつなぐためにも、子育てのリアルを広く世間の人に伝え、子どもを育てやすい環境になってほしいです」

全応募作品は、ホームページでチェックできます。問い合わせは、=TEL:070(5435)9307(同団体代表)=まで。

製作された紙芝居(原作・文 小川佳訓、絵 須藤はるか)のワンシーン

「子育てつぶやき川柳」展示会

〈日時〉
2月10日(金)・11日(祝・土) 午前10時〜午後9時

〈場所〉
イオンモール KYOTO Sakura館 3階吹き抜け横

※2月10日午後1時30分〜表彰式、2時10分〜紙芝居の上演あり。2時25分〜3時は子育て世代が参加できる交流会を実施

(2023年2月4日号より)