いつもの公園が〝冒険遊び場〟に。子どもたちが遊びを通して成長する場を作りたいと、活動しているグループを取材しました。
撮影/児嶋肇
地下鉄「醍醐」駅すぐの「折戸公園」。5月下旬の晴れた日曜日の朝、市民団体「きょうのあそびば」のメンバー4人が集まって、手際よくテントを立て始めました。ボランティア3人も加わり、そこにけん玉やこまといった玩具のほかたくさんの木片、金づちなどを並べていきます。子どもはもちろん、誰でも自由に参加できる「一日プレーパーク体験」の始まりです。
参加者の一番のりは小学校2年生の双子の兄弟とお母さん。開催を知って伏見から訪れたとのこと。初めはおずおずとしていた子どもたちですが、すぐに木片を手に取り、のこぎりで切ったりくぎを打ったり。創作に没頭し始めました。その様子を笑顔で見ていたのは、同会代表で保育士の貞本建太さんです。
道具を使い慣れない子どもたち。指導はしないんですか、と記者がたずねると、「教えなくても自分でやり方を見つけますよ。私たちは大きなけがをしないようにだけ気を付けています」と貞本さん。見ていると、うまく切れなければ木片の下に木片をかませて切るなど工夫していました。
公園に来ていた近隣の親子やメンバーの子どもも参加。大きなシャボン玉を作る子、木登りや虫捕りをする子。道具や環境を自由に使って思い思いに楽しんでいます。
災害用に設置されている「かまどベンチ」では、鍋で湯を沸かしてTシャツのヨモギ染めを。こちらはメンバーに教えてもらいながら、まき割りや火おこしに挑戦。燃え上がった炎に歓声が湧きました。
「遊びの中で子は育つ」
一般的な遊具の並ぶ公園ではなく、子どもたちが創造性を発揮する〝冒険遊び場〟を「プレーパーク」といって、1950~60年ごろヨーロッパで広まったそう。「日本でも約40年前、東京に常設のプレーパークがオープンしました。ぜひ京都で同様の場を作りたいと思っていたんです」と貞本さん。その思いが強まったのは一昨年からのコロナ禍でした。
「外で遊べない、学校にも行けない子どもたち。互いの肌に触れじゃれ合うといったことはなくなりました。緊急事態宣言が明けても勉強の遅れを取り戻さねばならない状況で、〝遊びの中で子は育つ〟という認識がなされていないと感じたんです」
今こそプレーパークが必要、と行動を開始した貞本さん。昨年春、子どもたちの「やってみたい」気持ちを形にする遊び場作りを目指して保育士仲間を中心に同会を結成。まずは京都市内やその周辺の公園で1~2カ月に1回「一日体験」として開催するように。現在メンバーは約15人。定期的に集まって遊びの内容を相談し、材料を調達するなどの活動をしています。
「初対面でも子ども同士協力して遊んだりスタッフととても仲よくなったり。『いろんな人と関わりながら、子どもは遊び、育っていくんだ』と実感しました。夢中で遊び込んでいるときの集中した顔。それを見るのがやりがいですね」
プレーパークの常設を目指して、随時会員を募集中。ボランティアも募っているそう。同会への問い合わせは、メール=webmaster@living-co.jp=で。今後の活動予定は左記フェイスブックから確認できます。
(2022年7月2日号より)
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