007/スカイフォール
〈4K ULTRA HD + 2Dブルーレイ/2枚組〉発売中/デジタル配信中
発売/ウォルト・ディズニー・ジャパン
痛快なアクションはもちろん 人間ドラマの陰影も見どころ
イギリスの秘密情報部MI6に属する腕ききスパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描いた007シリーズは60年近い時を重ねてきた。今年11月公開予定の新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が楽しみだが、主演のダニエル・クレイグはこれを最後にボンド役から降板するという。そこで、彼の一番人気作をふりかえってみた。
各国のテロ組織に潜入している工作員の情報を収めたMI6のハードディスクが奪われる。それを取り戻すべく、トルコで実行犯を追跡するボンドだったが…。
オープニングから見る者を一気に引きつける。街なかで展開する壮絶なカーチェイスや、走る列車の屋根上での死闘、そして、この追跡劇の意外な結果。物語は一筋縄ではいかない。存続の危機におちいったMI6の混乱、アナログとデジタルの対比、キャリアと老いの間で揺さぶられるボンドの姿が絡み合っていく。共演はジュディ・デンチ、ハビエル・バルデムほか。サム・メンデス監督の演出が冴える。
(ライター 宮田彩未 )