スペインは呼んでいる
12月7日(土)から京都シネマで公開
男ふたりのグルメな珍道中に苦味のエッセンスも効かせて
絶品の料理に、趣のあるヨーロッパの風景、中年男性ふたりの、おかしくも知的な会話で楽しませてくれた「イタリアは呼んでいる」。あれから4年、今度はスペインを舞台に、マイケル・ウィンターボトム監督が、またもや食欲と笑いのツボを刺激する。
グルメ取材の仕事を受けたスティーヴ・クーガンは、育児中の朋友ロブ・ブライドンを誘う。今回の旅はスペインの北部バスクから南のアンダルシアまで。仕事での成功を収めているふたりは、超一流のおいしいものをじっくり味わいながら、会話のキャッチボールを楽しむのだが…。
前作同様、マーロン・ブランドやデヴィッド・ボウイなどをモノマネする彼らの達者な芸に笑ってしまう。単なるグルメ旅行記でないのは、興味深い映画界の裏話を交えながら、家族や恋人のこと、年を重ねてきたことへの思いなどを、物語の背景として繊細に描いているからだ。古城や修道院を改装したホテルのたたずまいや、スペイン各地の料理も要チェック。ああ、満腹しました!
(ライター 宮田彩未 )