パリに見出されたピアニスト
9月27日(金)からMOVIX京都で公開
埋もれていた才能の輝き!奇跡の物語を名曲とともに
パリの駅に誰でも自由に弾けるピアノが置いてあり、およそクラシック音楽とは無縁と思える若者がみごとにショパンを奏でていた。それを見たルドヴィク・バーナード監督が想像力をふくらませて作ったのが、この映画。フランスの名優ジャン=ルイ・トランティニャンの孫であるジュール・ベンシェトリが熱演、ランベール・ウィルソン、クリスティン・スコット・トーマスのベテラン勢が脇を固める。
音楽学校でディレクターを務めるピエールは、パリ北駅で青年マチューが弾くピアノの音に心を奪われる。マチューが盗難事件に関わったことを知ったピエールは、実刑の代わりの公益奉仕という形でマチューを音楽学校に受け入れ、その才能を磨くため、本格的な指導に乗り出すが…。
環境に恵まれなかった主人公の反抗気質、それを上回る指導者の信頼の力がすごい。数々のトラブルをも超えて、マチューは自分の夢を思い知る。最後のラフマニノフの演奏ぶりは実に圧巻だ! バッハやリストほかの名曲も楽しめる。
(ライター 宮田彩未 )