お砂糖とスパイスと爆発的な何か
北村紗衣 書肆侃侃房・1620円
フェミニスト批評で読み解く 作品から広がる世界とは
フェミニストと聞くとつい身構えてしまう人もいるかもしれません。でも、何かを受け取るときに社会そのものを疑い、批評する切り口を持つことは、背負った荷物を下ろしたり肩の力を抜いたりする手助けをしてくれることがあります。
「腐女子が読む『嵐が丘』」、「『女性映画』って何?」など、本書で大事にされているのはとにかく〝楽しむ〟ということ。いつの間にか当たり前と思ってしまっていたこととは、全く違う方向からの視点で評されていくさまざまな作品たち。世界をぐっと広げ、型にはまった楽しさや成功によらなくてもいいんだと思わせてくれます。もっともっと映画や舞台に触れたくなる一冊です。
【紹介者】
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
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