家族にサルーテ!イスキア島は大騒動
7月6日(土)から京都シネマで公開
国境を越えて相通ずる 家族・親族のドタバタ事情
本国イタリアで、150万人が笑って拍手を送った家族劇がこれ。登場人物20名それぞれの悩みやかっとうは深刻でありながらも、見方を変えれば、どこかユーモラス。人生の悲喜こもごもを実感させてくれる。
風光明媚(めいび)なイスキア島に住む老夫婦の金婚式を祝うため、家族や親族が集まった。教会でのお祝いのセレモニーに出席し、食事を楽しみ、一晩だけ一緒に過ごせば、それで終わりのはずだったが、天候不順で帰りのフェリーが欠航したため、島から出られず…。
前妻と現在の妻の間で板ばさみになる男や、愛人の存在を隠すのに必死な男、経済的ピンチの夫婦、認知症の夫の世話に疲れ果てている女など、各自のトラブルがみんなのストレスを高めてゆく。ガブリエレ・ムッチーノ監督は、これらイザコザにコメディーの要素を加え、違う国に生きる私たちにも共感できる群像劇に仕立てた。名作「暗殺の森」に出ていたステファニア・サンドレッリほか、イタリア映画界が誇る名優たちの共演を、じっくりとご覧あれ。
(ライター 宮田彩未 )