THE GUILTY/ギルティ
2月22日(金)からT・ジョイ京都で公開
見る者の想像力に挑みかかる デンマーク発の異色サスペンス
「面白い映画ある?」と聞かれて、今おすすめしたいのがこれ。物語を操るのは、なんと電話から聞こえてくる“音”。その音とそれを受け取った主人公の反応だけで、堂々と観客に挑戦状を突きつけてくる。
登場人物は、ある事件がもとで、緊急通報指令室に配属された警察官のアスガー。ほとんど彼ひとりしか出てこないワンシチュエーション劇である。彼は、ある女性からの通報を受け、その切羽詰まった声から、彼女が誘拐され、車で移動中だと知らされる。電話から得られる情報を頼りに、関係部署やパトカーへの連絡を行うのだが…。
張りつめた緊迫感がすごく、ぐんぐんとこの事件に引きずり込まれる。やがて、事件は予想外の展開を見せ、驚くべき結末に着地するまで心を奪われっぱなし! 監督は、これが長編映画初メガホンのグスタフ・モーラー。彼自身による脚本の斬新さと微細な演出力にほれぼれしてしまう。主演はヤコブ・セーダーグレン。世界各地の映画祭で多くの観客賞を受賞した、この冬の必見作だ。
(ライター 宮田彩未 )