アンナ・カレーニナ ヴロンスキーの物語
11月17日(土)から京都シネマで公開
三角関係のロマンス小説を斬新な手法で描く
ロシアの文豪トルストイによる「アンナ・カレーニナ」はたびたび映画化されてきたが、本作はヒロインのアンナの死後、愛人だったヴロンスキーの視点から物語をつむぐというユニークなもの。カレン・シャフナザーロフ監督の意趣豊かなお手並みをご覧あれ。
日露戦争下の旧満州。軍医を務めているセルゲイ・カレーニンのもとに、負傷した大佐が運ばれてきた。彼の名がアレクセイ・ヴロンスキーだと知ったセルゲイは大きな衝撃を受ける。鉄道自殺した自分の母親アンナの元愛人だったからだ。母の真実を知りたいセルゲイに、ヴロンスキーは昔日を語り始める…。
上流階級に波風を立てたスキャンダル、アンナと彼女の夫カレーニン、そしてヴロンスキーそれぞれの苦悩やかっとうが、時を超えて鮮やかに呼び戻される。華やかな社交ダンスの場面や、ろうそくの明かりで撮影されたという幽玄的な室内シーンにも注目して!
私生活では夫婦のエリザヴェータ・ボヤルスカヤと、マクシム・マトヴェーエフが好演している。
(ライター 宮田彩未 )