チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛
10月6日(土)からT・ジョイ京都で公開
17世紀オランダを舞台にしたミステリアスな愛のカタチ
憂いを含んだなぞめいた美女、彼女がまとう青いドレス、光と影の微妙なコントラスト。日本でもファンの多いフェルメールの絵画から着想を得た小説をもとに、この映画が生まれた。運命的なロマンスの香りや、思いがけない展開と結末で楽しませてくれる。
修道院で育った孤児のソフィアは、格段に年上の豪商コルネリスと愛のない結婚をする。子宝に恵まれず、日々は冷ややかに流れるばかりだったが、夫妻の肖像画を青年画家ヤンに依頼したことから、大きな転機が訪れる。ソフィアとヤンはお互いに恋におちてしまったのだ。女中のマリアに関わることで、ソフィアは思い切った計画を行動に移すことに…。
チューリップの球根が投機の対象となった当時の世相と、マリアの恋愛をもからめ、物語は重層的に、スリリングに進行していく。次第にしたたかになるヒロイン像にも注目して。アリシア・ヴィキャンデル、デイン・デハーン主演。ジャスティン・チャドウィック監督。15歳未満は観賞できないR-15指定。
(ライター 宮田彩未 )