バッグをザックに持ち替えて
唯川恵 光文社・1296円
「この私が山登りなんて」 著者を変えた山の魅力とは
本書はふとしたきっかけから山登りに目覚めた著者の山エッセー。ふとしたきっかけが人生を大きく変えることがある。
彼女のきっかけは愛犬・ルイの死だった。愛犬を亡くした喪失感から逃れるために始めた登山。それが「この私が山登りをするようになるなんて」と、いつの間にか山に登ることが日常となっていた。著者が体験してきた数々の山のエピソード。美しいのだけれどそれだけではない厳しさや恐ろしさも含めて、山は奥深くて魅力的なのだと気付かせてくれる。
山との出会いは自分との出会いでもあると著者は言う。本書をきっかけにぜひ山に出かけて、また違った自分に出会ってほしいと思う。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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