はじめてのおもてなし
3月17日(土)から京都シネマで公開
難民と同居を始めた家族が思い知ったこと、学んだこと
紛争やテロ、迫害などにおびやかされ、他国へ逃れる難民の数は増える一方だ。そんな世界状況を背景に、笑わせながらも、じい~んと胸を突く家族映画がドイツからやって来た。
ミュンヘンに住む裕福なハートマン家。定年退職した元教師のアンゲリカ、その夫で大病院の医長を務めるリヒャルトを中心に、ワケありの長男長女が集まった食卓で、アンゲリカの宣言がみんなを驚かせる。「難民を1人受け入れるわ」。やがて、ナイジェリアから来て亡命申請中の青年ディアロを迎えるが…。
アフリカ人とヨーロッパ人の考え方や感覚の違い、その衝突がまずおかしい。そして、苦難を抱えているディアロを救ったはずのハートマン一家が、問題山積というところも笑いのツボを押し、ほろっとさせる結末へと導いてゆく。場面を盛り上げる音楽がドンピシャに流れるところなど、ハリウッド映画的要素が濃い。ドイツの国民的名優センタ・バーガーとハイナー・ラウターバッハが出演。サイモン・バーホーベン監督。
(ライター 宮田彩未 )