お父さまの亡き後、認知症のお母さまを自宅でお世話されているとのこと。家計のやりくりも本当に頑張っておられ、愛情深く堅実なご相談者の様子が伝わってきます。
支出は、どれも最低限に抑えられ、見直しが必要な項目はありません。ご姉妹が管理されているお母さまの公的年金は、お母さまのヘアカット代や洋服代などに使われているようですが、ご相談者のお小遣いはほとんどないのが気になります。
遺族年金の残った分は〝予備資金〟として全て貯蓄に回されていますが、ご相談者が少しお金を受け取ることにしてもよいかも。介護を外注すれば費用は発生します。また、ずっと切り詰めて息抜きがない生活では共倒れの心配も。ご姉妹にも事情を説明し協力をお願いして、月に何日かは自分のためだけに使う時間とお金を確保し、リフレッシュを心掛けてください。
ご自分の経費は、働いていたときの貯蓄を取り崩しているため、自身の老後に不安を感じておられるとのこと。しかし、実際には遺族年金の残額分5万2000円は貯蓄ができているので、家計全体としては黒字。将来、1人の生活になっても家賃負担がなく、家計は非常にスリム化されているのも強みです。ご相談者の公的年金は月に約8万円の見込みですが、国民年金保険料の支払いがなくなるため大きな赤字にはなりません。手厚い個人年金もあるので、あまり心配はなさそうです。
これまで、一度も介護サービスを利用したり、公的な窓口に相談されたことがないそうですね。今後、お母さまの要介護度が進行すると、1人でできることにも限界が生じます。どんなサービスが受けられるのかなどを今のうちから把握し、必要に応じた上手な利用をお勧めします。
母の介護で働きに出られません。経済事情で施設は断念。この状態がいつまで続くのか、自分の老後はどうなるのか不安です。
本人56歳(無職) 母親84歳(年金受給)
【回答者】
ファイナンシャルプランナー
八束 和音
ファイナンシャルプランナー
八束 和音
()