珈琲の建設｜コレ読んで！

コーヒーに始まり、話は美意識、消費生活にまで

味わい深く香り高いコーヒーは、飲料ながらそれを超えた意味をもつ嗜好（しこう）品です。多くの専門書が刊行され、海外チェーンはファッション性をまとい、その味をめぐって専門家が技術や知識を研鑽（けんさん）する。そんな複雑な存在のコーヒーを出発点に、京都出身の人気焙煎（ばいせん）家の著者が美意識や消費社会、味や価値観を語り尽くす１冊。

〝資本は「美味しい」に資本を投下しない〟〝美味しいっていうのは教えられるものじゃなくて、自分で工夫しながら作っていくもの〟。知識を与え「正解」を決めるマニュアルではなく、常識を疑い頭で考えることを促す本です。皮肉とユーモアを交えた語り口が痛快。

（）