THE PROMISE/君への誓い
2月3日(土)からT・ジョイ京都で公開
封印された歴史の〝影〟を繊細な恋模様とともに描く
オスマン帝国(現・トルコ共和国)が多数のアルメニア人を虐殺したといわれているが、トルコ政府はそれを認めていない。しかし、このたび「ホテル・ルワンダ」の監督テリー・ジョージが、見ごたえのある壮大なドラマとして映画化した。
1914年、アルメニア人の青年ミカエルは、医学を学ぼうと、オスマン帝国の首都コンスタンチノープルの大学に進学する。アメリカ人ジャーナリストのクリスや、その恋人アナと出会い、青春を楽しんでいたが、第1次世界大戦が始まり、アルメニア人への弾圧が強められていく…。
政治がからむ民族的な悲劇、そしてそれを背景とした男女の三角関係に心を持っていかれる。近づいては離れ、離れては引き寄せられる微妙な恋の描き方がうまい。ミカエル役に最近活躍めざましいオスカー・アイザック。共演はシャルロット・ルボン、クリスチャン・ベイル。なぜ人間は、命に対して冷淡になれるのかと問う監督の声が聞こえてくるようだ。名匠ガブリエル・ヤレドによる音楽が胸にしみる。
(ライター 宮田彩未 )