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試写室・劇場から

ミュージカル「オペラ座の怪人」

5月20日(日)まで京都劇場にて上演中

19世紀のパリ 妖しく切ない愛の物語

全世界の観客を魅了し続けている不朽の名作「オペラ座の怪人」が、6年ぶりに京都劇場で上演されている。これまでの演出に多少の変化を加え、より荘厳な舞台に仕上がった。冒頭、パイプオルガンの衝撃的な序曲と共に、巨大なシャンデリアが動き出すと、どっぷりと19世紀のパリ、オペラ座の世界にはまっていく。

主人公は、たぐいまれな才能を持ちながら、醜い顔を仮面で隠し、オペラ座の地下に隠れ住む怪人と呼ばれる男。彼は美しい歌姫クリスティーヌを愛し、ひそかに彼女に歌のレッスンをつける。彼女もまた、怪人に尊敬にも似た感情を抱くのだが、彼女の恋の相手は、輝くような若さと地位と美貌を兼ね備えた、幼なじみのラウル子爵だった。嫉妬に狂った怪人が次々と怪事件を起こす。

この妖しく切ない恋のトライアングルを彩る舞台美術や音楽、そして俳優たちの歌唱力は秀逸だ。胸をえぐるような怪人の「アイ ラブ ユー…」の旋律がいつまでも心に残る、罪作りな舞台である。

(文筆業 あさかよしこ 

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