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コレ読んで!

ソール・ライターのすべて

ソール・ライター 青幻舎・2700円

日常をドラマに塗り替えるのは、〝異邦人〟の目線で撮られた写真

今年、東京で開かれた写真展が異例の大入りを記録したそうです。あまり知られることのなかったソール・ライターという写真家の作品が、なぜそこまでわが国で受け入れられたのでしょうか。

この作品集では約200点を収録。ライターは厳格なユダヤ教家庭に生まれ、神学の道から一転、フォトグラファーとして雑誌で活躍、キャリア絶頂期にあっさり引退、ニューヨークの街頭にカメラを向け続けました。鮮やかな色彩感覚、日常をはっとするようなドラマに塗り替える構図は異邦人の目線を持ち続けたからこそ。日本画に深い関心を寄せた写真家は、われわれと同じような距離感でニューヨークを撮影したのかもしれません。

【紹介者】
誠光社 堀部篤史さん

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