長崎まで
野崎有以 思潮社・2160円
分かりやすい現代詩でつづる、東京への思いと故郷への郷愁
この本は詩集です。こう聞いてしまうとその時点で興味をなくしてしまう人も多いのではないでしょうか。ただ、この本は分かりやすい言葉で書かれた現代詩になっていて非常に読みやすく、一つ一つの詩はまるで短編小説に思えるほどです。
「私はこの男と出会ってから 合成樹脂のように汚れをはじく隙のないかぐわしい生活の指定席券を 生まれたときからもっていたふりをした〈ネオン〉」
このように読みやすく簡単な言葉に、しっかりと東京という都会の価値観への違和感や、九州という故郷への郷愁などが上手にちりばめられています。詩集は難しすぎるという方にもぜひ読んでもらいたい一冊です。
【紹介者】
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
エレファントファクトリーコーヒー 畑啓人さん
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