花戦さ(はないくさ)
6月3日(土)からT・ジョイ京都、MOVIX京都、TOHOシネマズ二条で公開
京の町衆を愛した花僧の大胆不敵な行動が痛快!
六角通東洞院西入ルにある六角堂は、いけばな発祥の地とされ、代々池坊の家元が住職を務めてきた。このたび、信長や秀吉、利休が活躍した戦国の世で、天才的な腕前を発揮した六角堂の花僧、初代池坊専好を主人公に、娯楽味あふれる時代劇が完成した。
立花の名手といわれる専好は、信長の前で花を生けることになった。大胆な意匠を凝らしたが、思わぬ事態を招いて窮地におちいる。そんな専好を救ったのは、出世前の秀吉だった。月日が流れ、天下びととなった秀吉は、利休を自害させ、町衆の命までも奪う圧制者となっていた。専好は秀吉に戦いを挑む。刀でなく、花をもって。
狂言師の野村萬斎演じる専好のキャラクターが面白い。会った人の顔と名前を覚えられないが、独創的な立花のセンスを披露する。「花の中に仏がいてはる」と子どものような表情で花を見る。剛でなく、まさに柔の人だ。そして、戦さは温かな結末に。市川猿之助、中井貴一、佐々木蔵之介、佐藤浩市ほか共演。監督は篠原哲雄。
(ライター 宮田彩未 )