ライオン~25年目のただいま~
4月7日(金)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都で公開
家族への強い思いが、千里の道も駆け抜けた!
インドに住む5歳のサルーは、仕事をする兄についていき、回送列車の中でひとり眠ってしまう。気づけば、列車は見慣れぬ場所を走り、泣き叫んでもどうにもならない。遠く離れた大都会コルカタに着き、やがて施設に送られたサルーを養子として迎えてくれたのは、オーストラリアに住む優しい夫婦。時が過ぎ、青年になったサルーに衝撃の瞬間が訪れる。
本当にあった奇跡のような出来事を映画化したのがこれ。サルーは、地球上の地形や建物などを探索できる「グーグル・アース」という現代的なソフトを使って、自分の家族を見つけ出すのだが、幼少期の記憶はあやふやで、どれだけの根気が必要だっただろう。何不自由なく暮らしつつも、「実の母や兄はずっと自分を探しているかもしれない」と思うその焦りが伝わってくるとともに、養父母への遠慮も描かれ、彼の人柄がにじみ出ている。デヴ・パテル、ニコール・キッドマンほか出演。人生の不思議さや希望の力を、ガース・デイヴィス監督がじっくりと描き出した。
(ライター 宮田彩未 )