夜行
森見登美彦 小学館・1512円
6人の不思議な運命を結ぶのは、旅先で出合った謎の連作絵画
寝台列車が好きなせいもあり、つい「夜行」という言葉にロマンを感じずにはいられません。しかしこの物語に登場する「夜行」はそれとはちょっと異なる謎の連作絵画。
英会話スクールで知り合った6人は旅先でそれぞれの「夜行」に出会い、不思議な運命をたどることに…。現実と夢のはざま、時間を飛び越えて、ホラーとファンタジーが交錯する不思議な世界に誘ってくれる作品です。
大好きだった寝台特急あけぼのも登場。舞台の尾道、奥飛騨、津軽、天竜峡は全て鉄道旅で訪れた大好きな場所で、運命のようなものを感じました。次に訪れたとき、ふと絵画「夜行」に出会い、僕にも不思議な物語が始まる予感がするのです。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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