貘の檻
道尾秀介 新潮社文庫・853円
父が殺したはずの人間が生きていた? 真相を求めて故郷の村へ
遠い昔に、父の手で息の根を止めたはずの人間が、生きていた―。
32年前に、いなくなったはずの人物がなぜ―。
「向日葵の咲かない夏」の衝撃をはるかに超えた、道尾作品ならではの長編ミステリー。
真相を求め、主人公は息子とともに故郷の村を訪れることに。そこでたどり着く、驚きのラストとは。
道尾さんが描くのは、薄暗い雨のなか、ただ淡々と過ぎていくような日常。でもどこかシュールで、ハッとするような恐怖が突然襲ってきたりというような独特なテイスト。
この作品もご多分に漏れず。いやな感じも残す、最後まで裏切らない作風は、やはりさすがです。
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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