ミス・シェパードをお手本に
2月4日(土)から京都シネマで公開
路上の〝謎のレディ〟が隠し持っていた真実とは?
ロンドンのカムデン・タウンに、ちょいと問題アリの名物おばあちゃんがいた。オンボロの車をすみかとして路上生活を続けるミス・シェパードだ。頑固さは超一流、ご近所の親切にも毒舌で返すありさま。そんな彼女に自宅の駐車場を提供したのが、劇作家のアラン・ベネットだったが、15
年もの共同生活を送ることになるとは!
これは実話であり、「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみのマギー・スミスが舞台でも演じて大ヒット。日本では「ポンコツ車のレディ」の題名で黒柳徹子主演の舞台劇になった。本作でも劇作家役のアレックス・ジェニングスとスミスの掛け合いが面白くって、思わず笑い転げるのだが、次第にミス・シェパードの過去が姿を現し、なぜ彼女が心を閉ざしてきたのかがわかると、人生の哀愁というものが漂ってきて切なくなる。
劇作家がもの書きとしての目と、生活人としての目の両方からシェパードを見つめ、それが自身にはね返ってくる構成も興味深い。監督はニコラス・ハイトナー。
(ライター 宮田彩未 )