鳥肌が
穂村弘 PHP研究所・1620円
笑いの中にも〝恐怖〟あり? 日常の違和感を集めたエッセー集
こわい、とは何だろう。著者が日常の中で感じたこわさや不気味な違和感を、丁寧にすくいあげた本書。小さな子どもと大きな犬が遊んでいるほほえましいシーンがこわい、原材料がこわい、何かのタイミングで現れるかもしれない未知の自分がこわい、京都こわい…。
思わず共感してしまうものから、ふふふと笑ってしまうものまで、世の中はこんなにも繊細で千差万別なこわさに満ちているのかと楽しくなる。
そして、好きなものや心地よさ同様、こわさや違和感も自分を構成する大切な要素なんだと気づかされる。私はといえば、漫画の結末が、こわい。できればハッピーエンドで、できればこのまま何も起こらずに…。
【紹介者】
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
マヤルカ古書店 なかむらあきこさん
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