BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
9月17日(土)からTOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都ほかで公開
スピルバーグ監督の最新作は、友情の力で見せるファンタジー
コンピュータ技術の進化により、実写とアニメなどの造形的映像の境界がなくなってきたなと思うのだが、この作品もすごい。少女と身長約7メートルの巨人、さらにそれ以上デカい巨人たちそれぞれの世界をミックスさせ、違和感なく見せてくれるのだから。
ロンドンの児童養護施設で暮らすソフィーは、孤独だが、想像力豊かで勝ち気なところもある10歳の少女。毎晩なかなか寝つけない彼女の身に、驚くべきことが起きた。窓の向こうの闇の中からなんと巨人が現れ、毛布ごと“巨人の国”へ連れ去られてしまったのだ。最初はこの巨人(BFG)を怖がるソフィーだったが、彼の優しさと意外な使命に心を寄せ…。
「オ・ヤサシ巨人BFG」という題名で日本に紹介されたロアルド・ダールの原作を映画化。少女とBFGの一風変わった友情と、正義を追いかける冒険を、楽しくスリリングに描いている。スピルバーグの名作「E.T.」を連想させるような、人と異次元の存在が気持ちを交わし合うシーンが印象的。イギリスの名優マーク・ライランスがBFGに扮(ふん)し、キュートな新人ルビー・バーンヒルがソフィー役に抜てきされた。子供たちに読み聞かせるおとぎ話のような味わいが濃厚だが、おとなも夢中にさせる要素もたっぷり。
(ライター 宮田彩未 )