キング・オブ・エジプト
9月9日(金)からTOHOシネマズ二条、T・ジョイ京都ほかで公開
古代への想像力をふくらませる壮大なスペクタクル劇
ピラミッド、スフィンクス、クレオパトラなどに彩られた古代エジプト王朝文明は、今から約5千年前に誕生し、紀元前30年に終わりを告げたというから、気の遠くなるような大昔だ。そんな大昔を舞台にして、現代的な味付けをしたスリリングなアドベンチャー映画が誕生した。
古代エジプトでは、神々と人間が当たり前のように共存していたが、天空の神・ホルスは、その叔父にあたる砂漠の神・セトに両眼を奪われて追放の身に。残虐なセトが支配し、人々にも圧力をかけるようになるが、思わぬ救世主が現れる。それは盗賊の青年ベックで、彼は自分の恋人を救うのが目的だったが、ホルスに協力することで、思いもよらぬ戦いに巻き込まれていく。
作り物とわかっていても、映画の冒頭、空から古代エジプトの町にズームインしたとたん、タイムスリップ気分に! 嫉妬心や権力欲、自信喪失や身勝手さなど、非常に人間くさい神々のお話とともに、お調子者のベックが大きな勇気と恋人を思う熱情でだんだんとたくましくなっていく姿が描かれる。CG技術を用いた、息をのむような見せ場もたっぷり。ニコライ・コスター=ワルドー、ブレントン・スウェイツ、ジェラルド・バトラーほか出演。アレックス・プロヤス監督。
(ライター 宮田彩未 )