老後資金の目標4000万円のうち
定年までに1000万円強を貯蓄へ
短期間で住宅ローンを完済しても手元にまとまった貯蓄があり、計画的な家計運営ができています。老後を見据え、積み立て型年金保険を活用している点もグッドです。
支出で気になるのが、飲食の費用が高いこと。食費、酒・米代、外食費を合わせると9万5000円となり、手取り収入に占める割合は約24%にも上ります。理想的な割合は、最大でも20%程度。家計に余裕はありますが見直しが必要です。ひとまず、1万5000円のカットを目指してやりくりしてください。
また、収入からみるとご主人のお小遣いもやや高めですが、教育費などの負担がないためこちらは現状維持でOK。奥さまの分が計上されていませんが、共働きで頑張っているのですから、1万円程度の予算を取ってみてもよいでしょう。
老後資金の準備は、必要額を知ることが大切。総務省の調査によると、65歳以上の無職夫婦世帯の支出は、平均で月27万円程度(平成27年)。夫婦二人をモデルにした公的年金が約22万円なので、差額の25年間分は1500万円になります。
懸案の修繕費は、規模により異なりますが500万~1000万円を目安に。介護や病気などに備える費用として、子どもがいないため少し多めの1000万円。加えて、予備費として500万円を見積もると、準備しておきたい老後資金は約4000万円になります。
現在の貯蓄が750万円、退職金を2000万円と仮定すると、リタイアまでに1000万円強をためればよい計算に。ご相談者の家計なら、十分に達成できそうです。
老後資金の準備にあたっては、税制優遇がある「確定拠出年金」がお勧めです。現時点で公務員は加入できませんが、法律改正により来年1月からは年間14万44000円までの拠出が可能となります。メリットがある制度を、ぜひ上手に生かしてくださいね。