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インタビュー

女優 一路真輝さん

1965年愛知県生まれ。元宝塚雪組トップスター。
「風と共に去りぬ」「JFK」「エリザベート」などに出演し1996年退団。
同年東宝ミュージカル「王様と私」で女優としてスタート。
以後、舞台「アンナ・カレーニナ」「女たちの忠臣蔵」などをはじめ、幅広く活躍。
第37回松尾芸能賞優秀賞受賞。

「挑戦したいと強く思ったらいただく役の幅が広がった」

宝塚歌劇団の男役で磨かれた〝りりしい〟美しさで、退団後も幅広く活躍する一路真輝さん。出産、育児も体験し、今、「母は強し!」という言葉を実感しながら、役に打ち込む毎日とか。50歳を迎えた昨年、日本少女漫画史の大河ドラマともいわれる「ガラスの仮面」の舞台で、伝説の大女優・月影千草を演じ、好評を得ました。同作品が9月1日(木)~11日(日)、大阪松竹座で再演されます。一路さんは再び〝大女優〟を演じます。



月影千草を演じる一路さん

舞台「ガラスの仮面」(9月1日~11日)のチケットの問い合わせはTEL:06(6530)0333=大阪松竹座=へ。
1等席1万800円、ほか

1975年に連載を開始、今なお幅広い読者から愛され続けている「ガラスの仮面」(美内すずえ著)の舞台が、9月、大阪松竹座で上演されます。

平凡な少女・北島マヤが、伝説の大女優・月影(つきかげ)千草との運命的な出会いによって、女優としての人生を歩き始める物語。一路真輝さんが演じるのは、物語の核となる、この月影千草です。

「実は私、『ガラスの仮面』を全て読んだのは、2年前、この舞台のお話をいただいてからなんですね。ちょうどこの漫画が世に浸透していた十代のころは、毎日、宝塚の音楽学校から、そのまま歌劇団にまっしぐら、という状態でしたから。でも、宝塚の中で、『ガラスの仮面』の世界を、そのままリアルに体感していたような気がします」

そして「もし、そのころから、この作品の月影千草を知っていたら、恐れ多くて、とてもこの役を引き受けられなかったかもしれない」とか。

「自分の後継者を見つけ出すことに、人生を捧げた月影千草。その葛藤や、若かりしころの苦悩など、本当に奥が深くて、演じれば演じるほど、“いつになったら、理想の月影千草に近づくことができるのだろう”って思ってしまいます」

しかし、実際は初演の舞台がとても好評でした。

「そうですね。今回のように再演へとつながったことは、より高みに向かおうという意欲を奮い立たせてくれました」

宝塚OGの変わらぬ輝きに背中を押された

一路さんが、初めて月影千草を演じたときが49歳。しかし、今から20年ほど前、当時宝塚雪組のトップスターだった一路さんにとって、20年後の自分が舞台に立っている姿など、想像もできなかったそう。

「若いころは、先のことより今のことで精いっぱい。でもそのころ、舞台やお稽古の合い間に、阪急電車で京都に出かけては、錦市場、嵐山、南禅寺などで、おいしいものをたくさんいただいて、いっぱいいっぱい癒やされました(笑)」

宝塚百周年を迎えた一昨年、OGとしてその舞台に出演した一路さんは、同時期に活躍したトップスターたちが、昔と変わらぬ輝きをもって登場したことに感動。

「これからできることに、もっともっとチャレンジしたい!という思いを強く持ちました。すると不思議なことに、いただく役の幅が広がってきているんです」

宝塚時代から数えて35年。常にスポットライトを浴び続けてきた一路さんですが、その間に、女優引退も覚悟でのぞんだ“出産と育児”は、「貴重な人生勉強でした」。

「10歳になった娘が、私にとって良き協力者であり、小さな批評家でいてくれることが、何より、うれしい」

いま思うことは─。

「50歳は、人生の第二のスタートって言いますよね。だから今まで経験できなかった事や、心がトキメクことを見つけて、楽しんで過ごしていると、すごく生き生きとした60代、70代が迎えられそうな気がします。まだまだ新参者としての意見ですけどね(笑)」

(文・あさかよしこ

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