とにかくうちに帰ります
津村記久子 新潮文庫・497円
早く家に帰りたい。そんな気持ち、働く人なら共感できるかも
人生の大半を過ごすのは、果たして自分のうちなのか、それとも職場なのか?というところから気にせざるを得ない、このタイトル。
職場が舞台の六つの短編小説が収められている本書。最後に収録されているのが表題作です。
土砂降りの雨の日、すでに夕方に差し掛かったころ、直帰する外出組、特に何をするでもなく誰かの迎えを待っている後輩、さて自分もそろそろ…と思っているオニキリ。
彼らが、土砂降りの雨という足止めを食らいながらも帰りたいと切実に願う描写と、途中に出会うユニークな登場人物。働くひとなら誰しも共感するであろう、職場小説。おもしろいです!
【紹介者】
大垣書店四条店 小林素紀さん
大垣書店四条店 小林素紀さん
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