家計も、資産運用も適切に管理
世情を気にしすぎず長期保有を
コツコツと堅実に、貯蓄に励んでこられたことがよくわかります。ご両親が近くにお住まいで、今後の家族構成が未確定なことなどを考えると、居住地が制限されやすい住宅購入をしていないことは、正しい選択です。
家計管理は申し分なくこのままで大丈夫。収支が安定していて、まとまった貯蓄があるので、お金に働いてもらう資産運用の利用は自然な流れです。ただし、資産運用にはリスクが伴うため、ほったらかしというわけにはいきません。リスク管理の大原則は、幅広い金融商品を持つ分散投資。さらに、ただ分散するだけではなく、リスクを打ち消す要素を含んだ金融商品を選択すると、安心感がより高まります。
例えば、株式投資の場合は、企業の利益成長が株価の下落を埋めてくれます。外貨建て資産であれば、国内よりも高い利率の積み上がりが、円高による評価額の減少を埋めてくれます。もちろんすぐには埋まらないのである程度の期間が必要。
となると、利益成長しそうな投資先企業を選んでいるか、できるだけ早く穴埋めが可能な金利の高い海外金融商品を選んでいるかという点が、長期運用を成功に導くポイントとなります。
もう一つ。変額保険や年金保険といった貯蓄型の保険料は、月払いがおすすめ。一定額で定期的に投資していく“ドルコスト平均法”という仕組みを使ってるため、株式や投資信託などによる価格変動のリスクを減らせます。また、ドル建てなどの保険は、ドルが安く円が高くなると、支払う保険料が少なくなるメリットがあります。
ご相談者の場合は、運用目的に合った、ある程度のリスク管理はできているといえます。今後も数多くの経済ショックが起こるでしょうが、リスク管理体制さえ整っていれば、一喜一憂することはありません。当初のお考え通り、長期保有を守ってみましょう。