ウェストサイド物語
京都劇場にて7月24日(日)まで公演
しなやかで強靭な群舞と、新演出でみせる普及の名作。
日本では、まだまだミュージカルというジャンルが定着していなかった1957年、ブロードウェーで初演。さらに映画化されて世界的な話題を呼んだこの作品が、劇団四季によって京都劇場で上演されるのは、実に8年ぶり。今回は、これまでの舞台美術、演出などを一新、そのテンポアップされた舞台は新鮮だ。
ニューヨークのダウンタウン、ウェストサイドでは、欧州系移民のジェット団とプエルトリコ系移民のシャーク団の二つの不良グループが、絶えず縄張り争いを繰り返している。そんな中、ジェット団のリーダー・リフの親友トニーと、シャーク団のリーダー・ベルナルドの妹マリアが恋に落ちた。しかし、対立は激しさを増し、リフがベルナルドに殺されたことから、物語は一気に、悲劇へと向かう。
「ロミオとジュリエット」をモチーフにしたこの作品の一番の見どころは、ダンスシーン。巨匠レナード・バーンスタイン作曲「トゥナイト」「マリア」「クール」「アメリカ」などの名曲と共に、劇団四季の最も得意とする群舞の魅力が全開!
そして俳優たちの、躍動する肉体の、なんと強靭(きょうじん)で美しいことか。今、日本の舞台にはミュージカルがあふれているけれども、やはり“老舗”の底力に触れた思いがする。
(文筆業 あさかよしこ )