ふたつのしるし
宮下奈都 幻冬舎・1404円
別々の人生を歩む二人を引き寄せた、見えない〝しるし〟
周囲に迷惑ばかりかけ、無気力で部屋のほこりのように生きる少年ハルと、優等生だけど目立たないよう息をひそめて過ごす遥名の物語。全く異なる環境で育ち、生きるのに不器用だった二人には共通してある「しるし」がついていた…。
人にはその人にしかない「しるし」があります。決して目には見えないものだけれど、その「しるし」を見つけて人はつながっていくのだと。僕が結婚したのも、奥さんについている「しるし」を見つけたからなのかもしれません。なかなか生きる希望が持てないハルと遥名がお互いの「しるし」に引き寄せられ幸せになっていく様は、とても心地よい読後感をもたらしてくれました。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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