ブルックリン
7月1日(金)からTOHOシネマズ二条で公開
一生懸命生き、恋をした女性の、人生を決める究極の選択とは?
“アメリカンドリーム”の輝きで、世界から多くの人々を引き寄せてきたニューヨーク。そこには光もあれば影もあり、しっかりと根をおろせるかどうかは、それぞれの運や努力や生きてゆく強さ、周囲からの支えなどが深く関わってくるのだろうと思う。
この映画の主人公エイリシュも、単身で故国アイルランドを離れ、1950年代、ニューヨークのブルックリンで移民としての生活を始める。新天地での不安、残してきた母や姉を思う気持ち、それらが彼女をホームシックに陥れる。だが、知人のすすめで仕事のかたわら大学に通い始めたり、ダンスに誘われたイタリア系男性と親しくなったり…異国での生活を楽しめるようになった矢先、思わぬ悲報が届く。
アメリカとアイルランドという二つの国、そしてそれぞれの国でエイリシュに思いを寄せる男性たち。やがて彼女は選択に迫られる。その決断を見たとき、「自分ならどうするだろう?」と、考えざるをえない。選ぶという行動は選ばれなかったものを傷つけてしまうことがあり、それでもなお自分自身の心の声に従うということは難しい。でも、私はヒロインの選択にすがすがしいものを感じたのだった。近年の活躍が目立つシアーシャ・ローナン主演。ジョン・クローリー監督。
(ライター 宮田彩未 )