二ツ星の料理人
6月11日(土)からMOVIX京都で公開
トラブルメーカーのシェフが、本当に大切なものと出会うまで
パリで一流レストランの二ツ星シェフとして腕をふるっていたアダムだが、ある問題を起こしてパリから消えた。それから3年がたち、彼はロンドンに現れる。そして、強引なやり方で、昔のオーナーの息子が開くレストランのシェフの座におさまる。シングルマザーで料理人のエレーヌや、かつての仲間に声をかけ、再起を図ろうとするが、いくつもの壁が彼の前に立ちはだかり…。
自信満々のアダムは確かに才気あふれる料理人だが、怒りっぽく、自己中心的で、トラブルの種には事欠かない。厨房は、彼が気に入らないと、料理の盛り付けられた皿が吹っ飛ぶような戦場となるが、実際にミシュランを獲得したシェフをアドバイザーとして迎え、かなり現実に近いものとなったそう。もちろん登場する料理の数々も必見!ミシュラン調査員が来店という展開になる場面は「へえ!」と驚く部分もあり、なかなか興味深い。日本とはまた違う、壮絶なミシュランの星取り合戦なのだ。
ブラッドリー・クーパーとシエナ・ミラーという旬の俳優コラボに加え、ダニエル・ブリュール、エマ・トンプソン、ユマ・サーマンなど華のある脇役陣も魅力的。監督ジョン・ウェルズは、見る者の心をやわらげるような粋なメッセージをラストシーンに刻んだ。
(ライター 宮田彩未 )