生きるぼくら
原田マハ 徳間文庫・745円
引きこもりから一転、祖母の下で
人と米作りに触れ、新たな人生へ
いじめが原因で引きこもりになった主人公の麻生人生と、義理の妹である対人恐怖症のつぼみがおばあちゃんの下で米作りをすることに。二人が米作りを通して生きる力を感じ、自らを克服して成長する感動作です。
米作りの苦労や、舞台でもある雄大な八ケ岳が見守る蓼科の美しい自然描写も読みどころのひとつ。いじめ、引きこもり、認知症など現代社会が抱える問題を織り交ぜながら、日本人の主食である「お米」を中心にふるさと、家族、人々がつながり助け合っていく様が心に染みわたり、涙せずにはいられませんでした。
爽やかな読後感、そして無性におにぎりが食べたくなる、そんな一冊です(笑)。
【紹介者】
ことばのはおと 中村仁さん
ことばのはおと 中村仁さん
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