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試写室・劇場から

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4月8日(金)からTOHOシネマズ二条、MOVIX京都で公開

©ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

小さな“部屋”で育まれた母と息子の愛情に胸を突かれる

今年のアカデミー賞主演女優賞にも輝いた、いま最も見てほしい作品がこれだ。なんでこういう映像世界が作れたのか、世界的ベストセラーにもなった悲しくも美しい物語を、なんと巧妙かつスリリングに展開させているのかと、監督レニー・アブラハムソンの手腕にも注目してほしい。

5歳になった少年ジャックは、ママとふたりで暮らしている。テレビを見たり、ストレッチをしたり、お誕生日のケーキを焼いたり…。だが、彼らが住む“部屋”は、どこにもあるような部屋ではなかった。ママはジャックに“本当の世界”を知らせるため、危険と背中合わせの、ある決断を下すのだった…。

未知の世界が目の前に広がる、それは少年にとって天と地がひっくり返るような体験だったに違いなく、映画の後半はさらに大きな展開を見せる。何が本当で、何がそうでないのか、彼はずっとそれにこだわるが、その問いは見ている私たちの胸にも降り積もっていく。“部屋”にいた時、ジャックは毎朝、周囲の家具や道具に挨拶をしていたが、それは感動的なラストシーンにも反映され、ママへの愛情に満ちたことばと共に、涙を誘う。ママを演じた主演のブリー・ラーソンと、ジャック役のジェイコブ・トレンブレイが忘れがたい演技を見せる。

(ライター 宮田彩未 

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