収入の範囲で生活する覚悟を
交際費と食費はまず3割カット
転職を繰り返して30代で「貯蓄ゼロ」という弟さんの状況は、ご家族にとっても心配ですね。
金融広報中央委員会の世論調査によると、貯蓄額の分布図の真ん中に当たる金額は、30代の単身世帯で500万円です。これだけ貯蓄するのは難しくても、まずは収入の範囲での生活を考えるべき。困ったときにはご家族が援助しているようですが、弟さんのためにはなりません。厳しいようですが、現状の一因はご家族の甘さにもあります。将来を案じるなら「絶対に借金はさせない」というルールを徹底しましょう。また、クレジットカードの利用も、赤字の状況ではNG。カードは、解約することを強くお勧めします。
支出の中で一番に見直すべき項目は、交際費と食費。交友関係の広さはお人柄に魅力があることに他なりませんが、使えるお金には限度があります。理想は、現在の半分程度に抑えること。まず、それぞれ3割のカットを目指してください。
現在の車のローンが年内には終わり、今後、ローンを組む場合の適正額も知りたいとのこと。その前に、「ローンで車を買い替える」という発想を変えたいですね。完済後も今の車に乗り続け、食費・交際費を減らせれば、月1万円は貯蓄ができます。
車関連の費用が収入に占める大きさを考えると、仕事などで不可欠でなければ手放すという選択肢も。そうすれば、ぐっと貯蓄額もアップできそうです。どうしても買い替えが必要な場合、ローン返済額は手取りの10%程度が目安。その際は支出をもう一度見直して、毎月の赤字が出ないようにしましょう。
いくら家族がバックアップしても、弟さんの自覚がなければ状況は好転しません。将来のために、「収入の範囲で生活する」という大人として当たり前のことを実践できるよう、ご家族で真剣に話し合ってくださいね。