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試写室・劇場から

ミュージカル「コーラスライン」

3月13日(日)まで京都劇場にて上演中

厳しいオーディションに掛けるダンサーたちの夢と試練と

ショービジネスを目指す者にとって、オーディションは夢の懸け橋であり、残酷ともいえる試練の場。この作品は、そんなダンサーたちの実話をもとに描いたミュージカルである。世界20か国で上演され、日本では、劇団四季が1979年に初演以来、2000回以上も上演し、人々を魅了し続けている。

ブロードウェーのとある劇場。新作のオーディションの最終選考に残った17人に、演出家のザックは問いかける。

「履歴書に書いてない、君たち自身のことを話してもらおう」。ダンサーたちは、自らの過去や、秘め続けてきたエピソードを語り始める。複雑な家庭環境、性の悩み、年齢の壁、コンプレックス、人種差別、立ち直れないほどの挫折など。そんな中、最終メンバーを決めるダンスの途中に、一人のダンサーが、足をくじいてしまう。そこでザックは、ふたたび彼らに問いかける。「もし、踊れなくなったらどうする?」。戸惑い反発しながらも、ダンサーたちの出した答えとは? そして、いよいよ最終結果が下されることに…。

それぞれの告白シーンは、重く深いけれども、全員がゴールドの衣裳に身を包み、「−人生においては誰もが主役。夢を抱いて、誇り高く−」と歌い踊るシーンに、心底胸が熱くなる。

(文筆業 あさかよしこ 

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