バーのある人生
枝川公一 中公新書・778円
お酒を楽しむ特別な空間
バーの扉を開けたくなる一冊
いつか一人でバーに行きたい。仕事を終え帰途に就くときよく思うようになった。今まであの重くよそよそしい扉を開くなど思いもしなかったけど、著者の語る「バーのある人生」に触れすっかりうらやましくなった。
行くなら、開放的より閉鎖的、みんなより個人の時間を尊重してくれるバーがいい。デリケートな照明と音の中で、静かに個人的な時間を過ごす。そこは不自由な日常とは隔絶された異世界。誰からも干渉されず、存分に自由を楽しむことを保障してくれる空間。
本書から得たバーの想像図に心躍る。夜、一人で、人知れず、薄明かりに戯れる至福。昭和初期生まれの著者がエスコートする大人のバー案内。
【紹介者】
月と六ペンス 柴垣希好さん
月と六ペンス 柴垣希好さん
()