ベテラン
12月12日(土)からT・ジョイ京都で公開
巨大財閥の権力に立ち向かう、反骨刑事の奮闘に熱くなる!
記憶に新しい韓国の“ナッツリターン事件”。庶民感覚とは全くかけ離れたものを感じた人も多いはず。それと似た大財閥のボンボンの暴挙に、敢然と闘いを挑むのがこの映画の主人公。まさに「弱きを助け強きをくじく」その姿勢に思わず拍手を送りたくなる。正統派の勧善懲悪娯楽作で、この年末の忙しさを忘れてはいかが?
ドチョルは、ソウル警視庁の広域捜査隊に勤務するベテラン刑事。お世話になったトラック運転手が意識不明の重体になり、飛び降り自殺を図ったといわれるのだが、不審な点がいくつか明るみになってくる。巨大財閥の息子による理不尽な悪行がからんでいるとにらんだドチョルは、単独捜査を始めるが…。
シリアスな場面あり、思わずくすっと笑うユーモラスな場面あり、起伏に富んだ語り口で、最後まで飽きさせない。クライマックスでは、ソウルのランドマークともいえる明洞(ミョンドン)で撮影された壮絶なカーチェイスやバトルシーンが登場し、実にスリリングで痛快な味わいだ。また、正義感が強いドチョルを演じたファン・ジョンミンの親しみやすいキャラクターにひかれるとともに、ユ・アイン、オ・ダルスなどの配役に妙味を感じた。監督は「ベルリンファイル」のリュ・スンワン。
(ライター 宮田彩未 )