わたしはマララ
12月11日(金)からTOHOシネマズ二条で公開
その意志の強さと使命感こそ、選ばれし者の証しだと納得!
テレビ映像などでマララ・ユスフザイさんが語るのを見た人は多いだろう。これが10代の少女かと驚嘆したことと思う。自然豊かなパキスタンの地に生まれ、女子教育の大切さを訴えたためにタリバンに銃撃された。回復後はイギリスで暮らしながら精力的な活動を続けてノーベル平和賞を受賞。彼女とその家族を追ったドキュメンタリーを、ちょっと変わった趣向で「不都合な真実」の監督デイヴィス・グッゲンハイムが作り出した。
映画が始まってまもなく、手描きのアニメーションが流れる。アフガニスタンの古い伝説を語るもので、このヒロインがマララさんと重なっていく。事件当時の映像や、家族と過ごすたわいもない日常風景を見ているうちに、彼女の確固たる信念に浸透される。弟たちと言い合ったり、ブラッド・ピットが好きだとはにかむ表情も見せたりするが、断じてふつうのティーンエージャーではない。彼女に影響を与えた最大の人は父親なのだが、その父親との関係性について答えるラストシーンでは、彼女は天から派遣された人なのではとさえ思ってしまう。国連での力強いスピーチには引き込まれ、涙があふれそうになった。闘う人、マララさんの姿は、女性の権利が侵されている地域がまだあることを私たちに思い起こさせる。
(ライター 宮田彩未 )